お肌の仕組みについて
お肌は体の表面を包み込んでいる薄い膜状の器官で、体の中で唯一直接外界に接している場所。紫外線やホコリ、細菌をはじめとする化学的な刺激や、さまざまな物理的刺激から私達の体を守るためにとても緻密に設計された人体最大の臓器です。お肌は大きく分けると、表皮、真皮、皮下組織という3つの層から構成されていて、互いに連携してお肌全体の機能を維持しています。
アトピーでは、炎症や、かゆみのために無意識のうちにお肌をひっかいたりして、お肌が傷ついてしまうため、お肌全体の機能が低下しています。お肌の機能が低下すると症状の悪化だけでなく、感染症など二次的な症状が現れる場合があります。アトピーを根本から解決するためには、まず各層の役割を良く理解し、次にアトピーの症状を観察し、その症状に対して適切なスキンケアを実施することが大切です。

表皮について
表皮は、表面から順に角質層、顆粒層、有刺層、基底層の4つの細胞層に分けられます。表皮は常に新陳代謝を繰り返しています。表皮を構成する細胞(角化細胞ともいう)は、はじめ基底層で作られ、徐々に扁平化しながら有刺層、顆粒層、角質層に押し上げられていき、最終的に垢としてお肌から脱落します。
このようなお肌の新陳代謝を『ターンオーバー』といい、およそ28日で1ターンします。表皮には神経の末端が伸びているため、アトピーで表皮が乾燥や炎症を起こすと、神経を刺激して不快なかゆみが現れます。かゆみを少なくするためにも、表皮に潤いを与えるスキンケアが不可欠です。
- 角質層:角質は死んだ細胞が、お肌の接着剤である角質細胞間脂質(セラミドが主成分)によってレンガ上につみ固められてできています。角層の表面形成される皮脂膜(毛穴・皮脂腺・汗腺から排出された老廃物によって形成される天然クリーム)は、刺激物からお肌を守るバリア膜としての役割を果たしています。また、角質層はお肌からの水分蒸発を防ぐ役割ももっています。正常な角層では、そのpHが4.5から6.5という弱酸性領域に保たれるため、細菌繁殖を抑制します。最近CMなどで「肌にやさしい弱酸性」というフレーズを良く耳にしますが、これは角質層が弱酸性であることに由来しています。
- 顆粒層:角質細胞間脂質を分泌して角質層を維持します。角質細胞間脂質の分泌が不足すると角質層のレンガはバラバラに崩れてしまい、お肌の水分が蒸発して、いわゆる肌荒れや乾燥肌の原因になります。SAYONARAアトピー(アトピー性皮膚炎)では、お肌の水分維持に大切な役割を果たす角質層と顆粒層を合わせて角層とテキスト中で記載している場合があります。
- 有刺層:お肌の外から入ってくる細菌を攻撃する白血球がいるため、お肌の『免疫システム』にとって重要な役割をもっており、この層が傷つくと免疫力が低下します。
- 基底層:基底層では表皮をつくる新しい細胞が生産されるため、この層が傷ついてしまうとターンオーバーが著しく乱れてアトピーが治りにくくなります。また、この層にはメラノサイトと呼ばれる色素細胞があり、メラニン色素を合成することによって、紫外線からお肌を守っえいます。
真皮について
表皮の下にある真皮は、お肌を形作る中心的な役割を果たしています。主成分はコラーゲンという膠原繊維のかたまりです。コラーゲンの隙間にはエラスチンという弾力繊維が細く張りめぐらされ、コラーゲン繊維を束ねて皮膚全体の強度を高めています。また、ヒアルロン酸に代表されるムコ多糖類が存在しており、それらが大量の水を保持することによって肌全体の弾力向上とハリの保持に寄与しています。
真皮層は、血管をはじめとする重要組織を保護する役割を担っており、お肌全体の栄養・酸素補給や老廃物運搬などを円滑化します。先に説明した表皮も、真皮内の血管からにじみ出た組織液を栄養素として、活発な細胞活動を行っています。
皮下組織について
真皮の下にある皮下組織は、お肌のクッション剤としての役割を果たしています。また、体温の低下を防ぐ役割も担っています。主成分は脂肪のかたまりです。皮下組織には毛細血管が集中しているため、血行不良を起こすとクスミの原因になる他、栄養分の運搬が困難になることから、上層にある表皮や真皮の状態が悪くなってしまいます。スキンケアでいうマッサージは皮下組織の血行促進のために行います。
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