ネットで販売されている性病検査キットの精度は信頼できるのか

近年ネットで遺伝子診断ができるキットなどが販売されていますが、性病検査のキットも売られています。これらの信頼性について医師の立場から検討してみました。

ネットで販売されている検査キットで調べられる性病(性感染症)には、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、HPV(ヒトパピローマウイルス)などがあります。多くの販売サイトではこれらがセットになったキットが販売されています。検査には血液や細胞を取る必要がありますが、自分で血液や細胞を取れるように器具が入っています。

もっとも懸念されるのは、血液や細胞といった検査に提出するもの(検体といいます)が素人でもきちんと取れるのかということです。HPVの検査では子宮膣部という場所の細胞を取って調べますが、病院や自治体の検診では婦人科の医師が細胞を取ってくれます。それでも細胞が十分取れなかったため、「判定不可能」となることがまれにあります。子宮膣部という取りづらい場所の細胞を自分で十分な数取れるのか、もし細胞の数が足りなかった場合でもきちんとそれを結果に載せてくれるのか(判定ができなかったのにそれを隠して「検査は陰性でした」と記載されないか)は業者に確かめたほうがよさそうです。検体がうまく(必要な量をみたし、異物の混入がない)採取できれば、検査の精度そのものは病院とかわらないと思われます。が、販売サイトには「国の認可を受けた登録衛星検査所で検査を実施」と、そもそも衛生の字が間違っているサイトもあり、医師からみると不安を覚えました。

また、感染してすぐの検査だと検査が陽性にならない病気もあります(代表がHIVです)。ほかにも、B型肝炎は抗原と抗体がそれぞれ3種類(HBs、HBe、HBc)、計6種類あり感染後の状態や時間経過により値が変化します。このためB型肝炎に関しては、単純に検査が陽性でも、予防接種の影響なのか、本当に感染しているのか、治療が必要な状態なのかを一般の人が自分で判断するのは難しいと考えます。結果が疑わしい場合は販売業者に問い合わせましょう。

意外と知られていないことですが、性感染症に限らず、検査は「陽性」イコール100%その病気であるとは限りません(これは病院で行なう検査でも同じです)。病気があった場合に検査で陽性になる確率を感度、病気がない場合に検査で陰性になる確率を特異度といいますが、感度も特異度も100%の検査はありません。検査が陰性だったけれど病気の人も、あるいは陽性だったけれど病気でない人も、多くはありませんが存在するのです(この事実をきちんと説明している業者であれば信頼できると思います)。病院では、「検査では陰性だけど症状や所見からやはりその病気が疑わしい」場合にはもう一度検査をすることもあります。こういった判断は一般の人には難しいと思います。

検査キットの費用はだいたい病院で自費で検査を受けるのと同じくらいでした(健康保険を使って検査を受けた場合の3倍程度)。ただ、HIV検査やHPV・カンジダの検査は多くの自治体では無料で受けられますし(本来は子宮頚がんの検診ですが、カンジダがあれば教えてもらえます)、ほかの感染症検査も心配であれば健康保険で受けられることが多いです。B型肝炎・C型肝炎や梅毒の検査は会社の健診項目に入っていることも多く、費用は会社負担です。平日に病院に行く時間がないからこうしたキットを使用する人も多いと思いますが、会社の健診ですでに検査をしていないか確かめてみましょう。

最後に、不妊症で受ける検査や妊娠してからの妊婦健診には必ず性感染症の検査があります。こういったネットの検査で調べたことが過去にあっても、おそらくもう一度病院で検査してくださいと言われる可能性が高いと思います。

調べた限りでは、性病検査キットの販売サイトで医師や検査技師がかかわっているものはほとんどありませんでした。便利ですがやはり使用は自己責任で、精度には限界があることも知っておきましょう。


人気のある不妊サプリ
本気の妊活サプリメント【SAZUKARU】
カプセルタイプです。妊活に有効といわれるザクロとタンポポのエキス、さらに妊活で最も有名な葉酸も配合。
新妊活サプリメント『VEGEMAMA(ベジママ)』 
錠剤タイプです。このサプリには「ピニトール」という栄養が配合されています。なかなか妊活が上手くいかないという方は「カイロイノシトール」という物質が足りないと言われており、ピニトールはカイロイノシトールを生成するため含まれています。

<<前のページへ   次のページへ>>