不妊治療に至る経緯、不妊治療専門クリニックの実際

私の不妊症体験をお話しします。結婚したのは27歳の時で、結婚後半年、28歳で1年間地方に単身赴任しました。

1年間の単身赴任中に、同級生が次々に結婚し、子供を授かっていきました。すでにFacebookなどのSNSが普及していましたから、地方にいてもだれに子供が産まれたかという情報は目に入ってきました。

もともと、自身が2人きょうだいだったため子供も2人くらい欲しいと思っていました。赴任先から夫のいる自宅に戻れるのは多くて月に1度でした。

地方への単身赴任は私が希望したわけではありませんでしたが、さらに悪いことに、子供を対象とした職場でした。このため、日々接するのは子供とその親ばかり。地方のためか親はほとんど自分より年下で、同じ28歳で2人、3人の子持ちも珍しくありません。スタッフも子供がいる人が多く、4人の子持ちという人もいました。赴任してすぐ、私と同級生のスタッフが3人目の出産のため産休に入るような職場でした。

こうした環境の中、だんだん、望んでいるのに子供を授からないということに焦りを感じていきました。結婚後すぐに受けた婦人科健診で卵巣チョコレート嚢腫(子宮内膜症の一種)がみつかり、妊娠は早いほうがいいと言われたことも気になっていました。

20代であれば避妊をやめて1年以内に妊娠する人が多いということ、35歳以上になると妊娠の確率が下がることは知っていました。結婚して1年以上たっても妊娠しなかったので、まず一般の産婦人科に相談に行きました。

対応してくださったのは年配の女性医師でした。「まだ年齢も若いし、単身赴任ということもあるし、様子をみていいんじゃない?」と言われました。「基礎体温はつけてもいいのでは」と言われたため基礎体温は測りはじめました。

1年間不妊症に悩みながらも子供と親の相手をする仕事を続けるのは正直つらかったです。上司は男性でしたし、自分が不妊に悩んでいることを話せるような人ではありませんでした。

休みが月1-2日と少ないこと、今後も別の地方に転勤の可能性があることから、単身赴任終了と同時に職場を変えました。休みは週2日に増え、通院のことも考えて土曜日に仕事をする代わりに平日1日休みがとれるようにしました。

不妊治療は男女ともに原因がありうるので、夫婦での治療が基本となります。ですが、当時の夫は「治療をしてまで子供は欲しくない」「検査は絶対に受けない」と治療に協力的ではありませんでした。

結局、ほかにも意見の食い違いがあり、当時の夫とは離婚し、その後しばらくして新しいパートナーと出会いました。新しいパートナーには初めから子供を望んでいたこと、不妊治療への考えの違いから離婚したことは伝えてありました。パートナーは検査にも協力的で、必要なら自分も検査を受けると言ってくれました。

ようやく不妊治療専門クリニックへ通院しはじめた時、私は30歳になっていました。

不妊治療のクリニックは、「ジネコ」という不妊症の人を対象にしたフリーペーパーで探しました。何度も通院することを考え、自宅から30分以内で行けるところにしました。

初診の予約をとったとき、「ようやく子供を持つためのスタートラインに立てたんだ」とうれしく思いました。

クリニックはきれいで広く、女性だけでなく男性の患者さん、外国人の患者さんもいて人は多かったです。2人目不妊なのか子連れの女性を見たことが1度ありますが、さすがに気を遣っておられました。

予約は15分刻みで、担当の先生は毎回変わります。最初は同年代くらいの女医さんでした。これまでの経緯を話し、あらかじめ記録しておいた基礎体温表を見せました。

先生によるとこのクリニックに来る患者さんの平均年齢は39歳くらいだそうで、30歳の私は若い方でした。基礎体温も問題ないし妊娠できそうですけどね、と言われました。

不妊症検査の体験

まずは一通り検査をすることになり、初診の日(月経開始予定日でしたが月経は始まっていませんでした)は超音波の検査、感染症とホルモンの検査、子宮頚がんの検査を受けることになりました。

超音波では片方の卵巣に卵巣チョコレート嚢腫、多のう胞性卵巣症候群があることがわかりました。多のう胞性卵巣症候群(PCOまたはPCOSと略されます)は初めての指摘でしたが、実際に見せていただいた超音波の画像でも、卵巣の中にのう胞がたくさんある様子がはっきりわかりました。

多のう胞性卵巣症候群については少し知識がありましたが、多毛や肥満といった症状があるイメージでしたので、「まさか自分にあったとは」と感じました。排卵がおこりにくくなり妊娠しにくくなる状態だということも知っていたので不安になりましたが、先生によると「妊娠には問題ない程度」とのことでした。

感染症とホルモンの検査は血液検査です。感染症はHIVウイルスも含めて調べました。後日結果が分かり、妊娠出産に影響が出るような感染症はありませんでした。

子宮頚がんの検査は自費で受けましたが、数か月後に自治体から無料で検査が受けられるクーポンが届きました。20歳以上の女性に偶数年齢でクーポンが送付されるようです。昔住んでいた自治体にはこの制度はなく知りませんでした。自費だと数千円かかるので、子宮頚がんに関しては検査の前に住んでいる自治体に検診制度があるか調べることをおすすめします。

ホルモンは一般的な女性ホルモン、LH、FSH、エストロゲン、プロゲステロンのほか、自費になりましたがAMHというホルモンも測定してもらうことにしました。

AMHは抗ミュラー管ホルモンのことで、簡単に言うと「卵巣予備能≒妊娠できる卵巣か、卵巣の年齢」の指標になると言われているホルモンです。自費で7500円かかりました。AMHの数値は女性の年齢とともに低下していきますが、多のう胞性卵巣症候群では高くなることがわかっています。私のAMHはこのためか、同年代の女性の平均より少し高めでした。

月経前にできる検査はひととおりやりましたが、月経中、排卵期の検査はタイミングをみて予約をしなければなりません。仕事の都合で頻繁に通院できなかったため、月経に合わせて電話で次の検査を予約することにしました。

ところが、来るはずの月経が遅れ、次の検査ができません。もしやと自宅で妊娠検査薬を使ってみると、うっすらと陽性反応でした。はっきりしないのでクリニックの診察を予約し、超音波で子宮をみてもらいました。

妊娠していれば子宮内に胎嚢というふくろが見えるはずですが、この日は見えませんでした。可能性として、妊娠のごく初期か、子宮外妊娠が考えられるということでした。

またまた自費になりますが、妊娠を調べるためにhCGというホルモンを検査してもらうことにしました。費用は5000円くらいでした。血液をとって結果が出るまで1時間以上待ちましたが、早く白黒つけたかったので当日のうちに結果を聞きました。hCGは上昇しており妊娠の可能性が高いということでした。

ですが胎嚢が見えていないため安心はできません。子宮外妊娠でないことを確認するため、1週間後に再度超音波検査を受けることになりました。

早くもこの時点でつわりが始まっており、食欲が落ちて1週間で体重が2キロ減りました。

1週間後の再検査で、無事子宮の中に胎嚢が見え、妊娠確定となりました。

何年も不妊に悩み、これから本格的に治療を!という段階での予想外の妊娠で、少し拍子抜けしましたがとても嬉しかったのを覚えています。クリニックでは出産はできないため、出産できる病院へ紹介状を書いていただき、いったん卒業となりました。

通院中(あるいは治療中)のストレス対策や周囲の反応

赤ちゃんが欲しいのに授からない状態というのは、体験した人しかわからないほどストレスの大きい状態です。同じ女性であれば辛さが想像できるかというとそうでもありません。できちゃった結婚の人はもちろん、結婚後1-2年で自然に妊娠した人、若いうちに出産した人、不妊症についての正しい知識がない人などから、悪気はなくても心無い言葉をかけられることはあります。

私は特に月経がはじまった時は、「また妊娠できなかった」と落ち込んだものでした。電車でマタニティマークをつけた妊婦さんを見るだけでも涙がでることもありました。

私の場合は自分も夫も妹が先に結婚しており子どももいたため、両親からのプレッシャーがなかったのはありがたかったです。実母も結婚してから私を妊娠するまでに時間がかかった経験があり、望んでも妊娠できないことに理解がありました。両親や義理の両親からせかされる人は、「なかなか授からなくて」とやんわり伝えてはどうでしょうか。

今はSNSがありますので、子どもの写真付き年賀状がこなくても友人が出産したことが簡単にわかります。周りの出産報告が辛ければ、SNSを一時的に使わないのもありだと思います。

私は不妊に悩んでいることはあまり隠さず、信頼できる知人友人には話していました。打ち明けてみると意外に「自分もなかなか妊娠できなくて悩んでいる」「妊娠するまで苦労した」という人がおり、お互いにちょっと悩みを言いあうだけでもストレス解消になりました。

不妊治療に集中するために仕事を辞める人もいるようですが、私はフルタイム勤務を続けました。治療や、その後の出産子育てにはお金がかかりますし、仕事で妊娠のことを考えない時間を持つのも大切だと思ったからです。今でも仕事は続けておいて良かったと思います。

気分転換に「子どもがいたらできないこと」をするのもおすすめです。スキューバダイビングなどのスポーツや、旅行で大人向けの宿に泊まるなど。お金はかかりますが悩んでうつ状態になるよりよほどいいです。

実際に不妊治療の専門クリニックに通い始めてからは、通院の帰りにランチを外で食べて帰ったり、月経が始まったら(=妊娠できなかったら)飲もうとワインを買ったりしていました。

それから、「もし子どもを授かることができなかったら」も少し考えて、夫婦2人の生活を楽しむことも大切だと思います。結果がどうあれ、2人で協力して治療を受けることで絆が深まり、その後も幸せに暮らしている夫婦はたくさんいらっしゃいます。身近にそういった先輩がいるとよいですが、身近にいなくてもブログなどで同じ状況の人(同年代で不妊治療中、あるいは治療を卒業した人)を探すことができます。

女性は特にタイムリミットがありますので気持ちが焦ると思いますが、治療がストレスになり辛い時は思い切って病院を変えても、しばらくお休みしてもいいと思います。病院によってはカウンセラーや、不妊治療専門の看護師さんがいますので相談してもよいでしょう。


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